井田ゆき子(20回生)

『箱館奉行所始末(全5巻)』に続く森真沙子さん(11回生)の新シリーズ『時雨橋あじさい亭』は、幕末から明治にかけて活躍した山岡鉄舟(鉄太郎)が主人公です。鉄舟は、下級の幕臣として幕末動乱を生き、32歳で維新を迎え、36歳で明治天皇の侍従にまで昇進した人物です。昨年12月に1巻目『千葉道場の鬼鉄』が発売され、4月発売の2巻目『花と乱』に続いて、3巻目『朝敵まかり通る』がこの828日に刊行されました。

 今年は、1867年(慶応3年)の大政奉還から150年目、来年は明治維新150年にあたります。幕末から明治にいたる激動の時代に、腕っぷしだけはめっぽう強い剣の達人だが、〝ボロ鉄〟と呼ばれるほど極貧にあった若き日の鉄太郎が、シリーズ3の本作ではいよいよ維新の立役者として登場することになります。前2作では無名の幕臣だった鉄太郎が、最後の将軍となった徳川慶喜の密命を受け、江戸城総攻撃をもくろむ敵参謀の西郷隆盛が布陣する駿府に乗り込み、江戸城無血開城へ道を開くまでの活躍が描かれます。

 1巻目をまだ手に取っていない人も、この機会にぜひページをめくってみてはいかがでしょう。日本の歴史を振り返ってみるにもいい機会だと思います。読者からの森さんへのファンレター、感想文などもぜひお寄せください。※二見時代小説文庫 定価700円(税込み)

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